フッターマン OTL AMP の製作

フッターマン H-3 OTLアンプ の調整法

フッターマンH-2型 OTLアンプの製作(4)

フッターマンH-2型 OTLアンプの製作(4)

温故知新「テスター1丁でだれでも成功する」 

写真:自作H-2

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私の記憶を辿ると、フッターマンH-2型 OTLアンプを知ったのは昭和30年代中ば、ラジオ技術誌に掲載された製作記事でした。下記に写真があります。

 

それで前身のH-1があり、それが改良されてH-2が発表された事がわかった。

その後、H-3が発表され、特異な回路設計で注目を浴び、商品化されて我が国にも輸入されました。

 

国内でも、H-1、H-2、H-3は自作例が多く発表されています が、ヤフーブログにその辺りのことを掲載してあったのが、残念ながらブログ廃止と共に消えてしまった。

(手元にその折りの資料が残っていれば、見つかり次第掲載します。)、

 

と言う事で、このH-2は発表されてから半世紀以上経つ真空管 OTLアンプの古典的存在です。

 

写真:H-1回路図

出典 武末数馬著「 OTLアンプの設計と製作」から巻末から引用

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ラジオ技術誌1961年5月号がら、吉村貞男氏の発表

今は貴重な資料です。(昭和36年、私23歳)

このサブタイトルに

「テスター1丁でだれでも成功する」

とあります。

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と、言う事で本当にテスター1丁で出来るか?

も確認したいと思います。 

 

フッターマンH-2型 OTLアンプの製作(3)

フッターマンH-2型 OTLアンプの製作(3)

 

写真は50L6を32本使ったOTLアンプ

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出力管を決める

H-2型 OTLに使う出力管は、前回に上げた4種類以外に、多くのTV水平偏向出力管が使えます。

①22JR6

②25E5、6CM5、6/12BG 7

③6/13/27BG3

④12BB14 

⑤25DN6

etc

などが使えます。しかし、

6080、6AS7G、6336A

などの電圧制御管はバイアスが深いので不向きです。しかし、在庫球活用で使いたい場合は、Ebbを低くして使います

また、オーディオ管

12/25/50L6

25C6GA

25/50C5

6/12/25W6

30A5

なども8〜 10 本(5パラ)並べてもよいです。この場合はスピーカー16Ω以上にするか、適当なマッチングトランスを使い4.6.8オームスピーカー が使えます。

お手持ちの球を活用し楽しみましょう。

 

その他に、お手持ちの球があれば、活用したいものです。

本稿では、先に記載した

12B4A、6C19P、7233、6/10CW5

の4種類、モノラルで各2台、計8台を製作します。

 

これら球を選んだ理由は、

在庫球がある

H-2に適している

新しく買い揃える場合、比較的安価である、

多数出回っている。

などなどです。

 

 

フッターマンH-2型 OTLアンプの製作(2)

真空管アンプを自作する場合の手順として最初に回路設計がありますが、良くやる手は、好みの出力管を先に買って、それをニヤニヤ眺めながら、あれやこれやとアンプの構想を練ります。  

今回はH-2 OTLの製作と決まってます ので、最初に部品調達からにしました。

 

部品調達 

①出力管

フッターマンH-2の製作にあたり先立つのは資金ですが、部品調達面がら見ると、シングルやプッシュプルアンプと比べると部品点数が多くあります。

中でも出力管は、ステレオ構成すると、オリジナルの12B4Aでは20本必要で、選別するとすれば最低でも24〜5本集めなければなりません。望ましいのは同一メーカー、同一ロット品ですが、

しかし、今日では、多数の球を集めるのはなかなか難しい。まして、同一メーカー、同一ロットとなるとなおさらです。

そのため、不揃い球を数回に分けて買うことになります。そして集めた球の不揃いを承知の上で使い方を工夫します。

(出力管選別の仕方は後に説明します)

このH-2 OTLでは

1.12B4A

2.6C19P

3.7233

4.6/10CW5

の4種類の球を使い、各球でモノラル2台、計8台を製作します。

余裕があれば、

5.22JR6

も作ってみたいと思ってます。

欲張りすぎかな?

 

②電源トランス

 市販のカタログ製品の中から最適なトランスはなかなか無いものですがら、特注することになります。

このため、トランスの仕様と注文先を分かるように

しますので、必要な方は注文してください。

 

③電源用大容量電解コンデンサ

H-2の出力管電源用大容量電解コンデンサは.1個

250V1500uFを目処にし、1台に付き合計1万u Fほどになるよう数本使います。(後に掲載する電源回路図を見てください)

1500uFであれば6個、倍の3300uFであれば4個。 

製作面では、この電解コンデンサの取付け面積か結構要りますので、小型で適当なのを選びます。

新品では、高価になるので、新古品や中古品を見つけたら買って置きます。

真空管ソケット

真空管数が多いのですから、まとめて買って置きます。H-2ステレオ構成では9ピンソケットを22個使います。その他に出力管周りに使う抵抗なども20本必要です。

④初段6AN8に使う高抵抗の2Mと8.2M

通常市販品で店頭で買えるのは最高1MΩまでです。したがってH-2に使う2Mや8.2Mがネックになります。そのため、1MΩを数本直列に使うなどします。

が、本稿では1MΩ以上の抵抗を用意しています.

また、この高抵抗は、音質に影響します。

⑤その他に

写真の前に見える白い円筒2本は、電源用フイルムコンデンサですが、これは無くてもよいですが、ある方が好音質(高音質)になりますので、適当なのがあれば買って置きます。(必要数4個、250V10〜50uF程度のフイルムコンデンサ)

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部品調達ができれば、アンプは半分出来たようなものです、必要な部品は見つけた時に買って置きましよう。

 

 

 

フッターマンH-2型 OTLアンプの製作(1)

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写真は

自作品フッターマン H-2型 OTL 6C19P×8モノラル2台

写真のアンプの製作について、過去の本ブログ内に記載してます。

 

フッターマンH-2型 OTLアンプの製作(新編)-①

 

真空管 OTLアンプは素晴らしい❣️

〜はじめに〜

真空管OTLアンプは難しいと思っているアンプビルダーも多いと思います 。

私がこれまで製作した 真空管OTLアンプの中で、一番製作しやすく、調整もテスターだけで出来るのが、このフッターマンH-2型 OTLであるとおもいます。

そこで真空管 OTLアンプ入門編として本稿を記載し、ビルダーが容易に製作できる参考になればと思っています。

 

最近の雑誌に掲載される機会がほとんど無いフッターマンH-2型 OTLの製作については、過去には多数の文献がありますので、ご興味ある方は、「フッターマン OTL」で調べてみられるとたくさん情報かあります。

 

本稿では、真空管 OTLアンプ製作の手ほどきになるよう、実際のアンプを製作しながら進めていきたいと思います。したがって製作面を中心にしますので、ご了承ください。

 

真空管OTLアンプの理論やフッターマン OTLアンプの詳しいことは、他の文献に譲りますので、それらを見てください。 

 

写真はオリジナルH-2型に近い構成の

フッターマンH-2 OTL 12B4A×10 モノラル

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フッターマンH-2 OTL 6C19P×8 

モノラル2台の製作(12)

 

あらかたの調整ができました

最大出力は15W/8Ωとなりました

ひずみ率や周波数特性などには問題ありません

 

フッターマンH-2型はテスターのみでもバイアス調整できますし、配線間違いや部品不良がなければ一発で働きますので、OTLアンプ入門にはもってこいです

 

オリジナルフッターマンH-2アンプの出力管は12B4Aですが、多くの垂直偏向出力管、水平偏向出力管が使えます。

また、電圧レギュレーター管などバイアスの深い6080や6C33Cなどは不向きです。

 

RCHの通電調整の間にエージングのためオーディオルームに引っ越し、監視しているテスターの電圧は6C19Pの合計プレート電流で107mAです

 

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長時間運転に差し支えないように右側板には空気穴をあけてますが、これはプリント基板に空気穴がないために設けたものです

 

その効果あってかシャーシは意外と熱くなりません

 

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フッターマンH-2 OTL 6C19P×8   モノラル2台の製作(11)

フッターマンH-2 OTL 6C19P×8 

 モノラル2台の製作(11)

 

通電テストを始めました

 

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テスター電圧:6C19P プレート電圧 155Vを指しているがほぼ予定電圧

 

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テスター電圧上:6C19P合計電流86mA0.085V)、1本あたり21.5mA、この後に予定動作点100mA/25mA本に増加した

テスター電圧:下0.02V 出力端のDC電圧、この後に0にして、ほぼ予定動作範囲です

 

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増幅段6AN8部分は動作確認済みなので球はつけていないが、明日に確認することに

 

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フッターマンH-2 OTL 6C19P×8   モノラル2台の製作(10)

フッターマンH-2 OTL 6C19P×8 

 モノラル2台の製作(10)

 

6C19Pの選別作業

アンプの配線作業が概ね終わって次は通電テストとなります。

それに先立って出力管6C19Pの選別をします

 

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23本測定しました。バラツキの範囲は思っていたより少なく全数使用可能です。

6C19Pは三極管が一つなので6080などの双三極管と比べると選別ははるかに楽です

 

選別方法は、etracerで測定しました、想定条件は実際に使用するプレート電圧に近いところの

Ep=150V、Ip=25mA、Eg=?

 

で測定しました、etrecerの特性グラフから読み取った値なのでおおざっぱな数値です。数値にあまりこだわらないようにして、Eg電圧順に並べてグループを選びます。今回は全部で16本(4×2×2)選びます。

 

定電圧電源などをを使う場合は

Ep=150V、Eg=ー50VとしてIp=?

としても良いと思います。

 

下図がその結果です。左図が測定順に並べたもの、右図はEg順に並べたもので、ABCDEのグループ別にわかりやすくなっています、

この内からA+Bを1台4本、C+Dを他の1台に使います

 

 

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シール番号を貼っておきます

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真空管箱に入っていたマニュアル

ロシア文字なので読めませんが

 

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