FUTTERMAN OTL-3 6LF6-4P mono OTL アンプの製作
OTL-3M(20)
20210521
出力管「6LF6」のDCバランス調整
一寸作業をさぼってましたが・・・、あらかたの調整ができました。
出力管のDCバランスの調整
OTL-3Mは電源が複雑です、出力管電源は片電源方式、加えること補助電源、Esg定電圧化などです、電源の動作確認も順番に一つずつ進めます。
主電源DC330V、補助電源DC165V、バイアス電源DC-70V
を確認します、主電源は電解コンデンサーが11700uFの大容量のため慎重にすすめます
次に下側のEsg定電圧電源DC215V、次に上側定電圧電源Esg215Vを調整します。(前回はここまででした)
次は出力管「6LF6」のDCバランス調整です、片電源方式(±電源のフローティング方式ではない)ですから出力中点電圧は1/2Ebb=165Vとなります
動作点はEb=165V、Ip=80~100mA、Eg1=-50V として
この条件で、上側と下側のバイアス電圧を調整してDCバランス取ります。
当初バイアス電圧の計算を間違ったり、取り付けた抵抗のカラーコードを読み間ったりして手間取りましたが、バランスが取れるようになりました。
ごちゃごちゃしてしまったバイアス回路ラグ板
このDCバランス用可変抵抗(VR)は前面に付けましたのでメンテナンスがやりやすいですが、VRの電圧変化範囲が広くても狭くてもバランスが取りにくいですから、基準値に対して±20Vていどにします。
主に下側の可変抵抗で電流値を、上側可変抵抗で電圧を調整し、この両方を交互に合わせてDCバランス調整します。
片電源のため中点の基準電圧は1/2Ebb=165VとなるようにEbb330Vから100kΩの抵抗で分圧して165Vを作ります。電源フローテイング方式ではないのでバランスメータはかなり敏感に効きますのでメータ感度は±50Vにしています、電源オンオフ時には振り切れることもありますのでメータ保護ダイオードをいれました。
「6LF6」1本当たりの電流
テスターを動員して主要部の電圧監視しながら
DCバランス調整が終わると増幅段の動作確認です、
DCバランスの調整ができたので前面のメータを動作させて確認
真空管「6EJ7」と「12BY7A」を付けて動作確認しますが、配線間違いがなければ順調に働きます、ここは細かい調整はありませんが、出力1W時の歪率が最小になるように「6EJ7」のEsgの可変抵抗を調整します。
NFB抵抗は指定2,2kのところ2.7kにして動作確認していますが、最終的に2.2kにします。
これまでに得られた特性
最大出力:50W/8Ω/1kHz
周波数特性や方形波特性は異状なし
となり、大まかな調整作が終わりました。
<先行したFACEBOOKでは出力10W?としましたが、これはメータの読み間違のようでした>
「6LF6」の発熱がすごいので熱遮蔽版を取りつけ
次は残る課題となった電源オンオフ時の対策です,
これまでの作業ではAC100Vをスライダックで徐々に電圧を上げて通電していましたので大きな問題はありませんでしたが、これからは直接AC100Vをオンオフしなければなりませんので、このオンオフ時の対策が必要です。
この対策はオリジナル「H-3」や「OTL-3」では特段の対策はされていません。
しかし、「6LF6」の動作電流を監視していると過大になったり、スピーカからポップ音が出たりすることがありますのでこの対策です。
この対策は後回しにして、一旦ここでOTL-3Mは休止、他方のR側アンプの完成時に対策することにします。
次回からは、以前に預かっている「6L6pp」の修理に取り掛かります
し
。
片電源