フッターマン OTL AMP の製作

フッターマン H-3 OTLアンプ の調整法

フッターマン OTL-3 製作(9)

 フッターマン OTL-3 製作(9)

 処置が終わったのは盆を過ぎた8月17日頃となりました。あとは長時間安定動作の確認をしたいところでしたが、真夏のことで長時間運転はできないので涼しくなるのを待っことにしました。

 

これまでにフッターマン H-1、H-2、H-3の自作を通してフッターマンOTLの勉強をしてましたが、この「フッターマンOTL-3」を修理・勉強する機会にめぐまれ大変勉強になりました。

このアンプは私の手元に来るまでには、かなり使い込まれた形跡がありましたが外観は綺麗でした。後の情報でこのアンプはケミコンが弱いと知りましたが、真空管が全数健在であったことが修理の救いとなりました。ケミコンの取り換えやAC電源回路を改修しましたが、「フッターマンOTL-3」の心臓部は変更することなく修理できたことは、この回路や基板が優れたものであることの証明と思います。

 

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テスト用ガラス瓶スピーカで試聴

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せっかく出来上がったのに3階のオーディオルームにもって上がれないのが残念!、大きなメインスピーカも一人で階下に下ろせない!で1階の片隅に置いて秋を待つことに。

 

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 実はこの後の写真が見当たりません。11月頃に、醍醐コンサートで使用しているゲンコツスピーカで試聴したのですが。

出てきましたら掲載しますが、写してなかったのかもしれません。すみませーん、悪しからず。

 蛇足ながら

 この「フッターマンOTL-3」に限らず、不動・故障アンプ、不調のアンプを修理するのは本当に勉強になります。そして自作する時にその経験が生きてきます。勉強のためこれまでに真空管アンプやラジオを修復・修理・改修し市場に戻したり、差し上げたりしました。その一部は「はてなブログ」内にも投稿しています。

これは、真空管全盛期に育った人間として、拙い技術ではありますが、何とか彼らをよみがえらせることができればと思って取り組んできました。また、かつて活躍した真空管真空管アンプやラジオが見捨てられてゆくのは忍びなく、この暖かい真空管の音を蘇らせて彼らに再び活躍してほしかったからです。

オーディオについては、幼いころから並四ラジオや電蓄から鳴り響いてくる音に馴染んできましたので、半導体の音より真空管の音に親しみを感じじるのは当然のことでした。その上、事業活動では半導体ばかりでやってきましたので、自分の趣味は真空管でやろうと思ってきました。

そして、相変わらず自作や修理を通して真空管と親しく付き合って楽しくやっています(駄文ですみません)

 

当方が自作したフッターマンOTL 

ここでご紹介した「OTL-3」以外に、これまでに取り組んできたフッターマンOTLアンプを紹介します。

  ①自作品 H-1 12B4A×16 モノーラルOTL

このアンプは出力段12B4A×8をを6S4Aカソードフロアーでドライブしています。これはラジオ技術誌の黒田徹氏の記事で学んだことで、多数並んだ球をドライブするのに高域特性の改善など出力段の改善が見られました。原回路では入力信号電圧が高く約6Vで最大出力になりますが、これを2Vで最大出力になるように帰還量を減らしました。

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②自作品 H-2 40KG6A×2×2ステレオOTL

このアンプは結果的に1/2(H2+H3)の構成になりました。見かけは小型で簡単そうですが、シャーシ下側に主電源のケミコンがぎっしり詰まっていて、電源回路が複雑になってます。最大出力は18W/8Ωと高出力、頑張れば20Wを超えます。PTは特注品ですが市販の100v:100vトランスを組み合せても可能です。

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③自作品 H-3 JJ-EL509×4×2ステレオOTL

回路はH-3をほぼそのまま踏襲していますが、電源回路のケミコン容量を増やしています。出力管は、最初6HJ5を使いましたが後にJJ製EL509に改造しました。スロースタートにタイマーを使っています。個人的にはこのアンプが一番気に入っています。

③-1 6HJ5版(改造前)

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③-2 JJ-EL509版(改造後)

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④自作品:フッターマン型 26HU5×4×2ステレオOTL-PTL

増幅段はフッターマン型ではないが、出力段26HU5をEP<Esg動作としたフッターマン型OTL-PTL。重い電源トランスが無いので見かけよりずっと軽い。しかし、PTLなのでEsg電源回路に工夫を要した。

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⑤修理品:オリジナル・フッターマンH-3 OTL

 ヤフオクでゲット。出力管はEL509、元ついていたEL509が不調のため、40KG6A/PL509を使って修復、後にEL509を入手して回復した。

古いアンプなので後ろに見える大型ケミコン3個とも交換、CR類も交換しているが、A&Bらしきカーボン抵抗は変化大。

このアンプの配線方法は大変がっちりしており大変参考になりした、また、入出力端子を隣に並べるのは大変合理的な配線方法と思います。出力管には保護用の細い線材が使われフューズの役割を果たしていますが、手元に来たときはこのフューズが3か所断線していました。かなりハイパワーで使用されていたのかも。

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 ⑥修理品:MAXONIC OTL(フッターマンH-3類似品)

これもヤフオクでゲット。出力管は40KG6A、Esg定電圧回路が簡略化されているが、主要部はフッターマン型。PK分割回路は6FS5から12BY7Aに変更されている。さすがメーカ製のアンプでメンテナンスしやすくできている。初段管6EJ7を交換、出力管は健在、ケミコンは大丈夫だったのでそのまま使用。パネル中央下についている電源スイッチが 接点不良で焼ききれていて、当初電源が入らないので戸惑った。現用品があり新品に交換しスパークキラーを付けた。スタジオなど業務用に使われていたと思われWメータがついている。

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これら6台のアンプは既に手元には無く他家に嫁いでいますが、今も嫁ぎ先で活躍してくれていると思います